第1章

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あたしは野田さんにグッと詰め寄った。 野田さんは目をパチクリさせ、そしてため息をはきつつあたしの手から写真を奪い取った。 「これは仕事の依頼人にもらった写真だ」 「依頼人?」 あたしはますます野田さんを怪しんだ。 ただのリサイクルショップの店長が一体何を依頼させるっていうんだろう。 きっと野田さんは嘘をついているんだ。 「依頼人って一体誰ですか? なんの依頼を受けてその写真を持っているんですか? それが説明できなければあたしは野田さんをストーカーだと認定します!」 あたしは野田さんを指さしてキッパリとそう言いきった。 「君にそんな認定を受けても嬉しくないけどね」 「だったらちゃんと答えてください!」 野田さんはやれやれといった様子で左右に首を振り、そして口を開いた。 「依頼してきたのは彼女の両親だ。彼女の事をとても心配している。だから俺は仕事を引き受けた」 「また、そんなでたらめを!!」 あたしは野田さんを睨み付けた。 彼女の両親が野田さんのような不審者に依頼をするわけがない。 だって、どう考えたって彼女のストーカーにしかならなさそうだもの!! 「だいたい仕事ってなんなんですか? 野田さんはただゴミを集めて売っているだけの利作るショップの店長さんでしょう?」 「それだけじゃない」
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