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「もしかして、東能リナさんは昌史さんに会いたがってるの……?」
あたしは誰ともなくそう聞いた。
「おそらく、そうなんだろうな」
野田さんはそう言い立ち上がった。
「どこに行くんですか?」
麻葉が不安げな表情で野田さんを見る。
「決まってるだろ。昌史さんの居場所を知っているのは君の育ての親だ」
「でもっ……」
麻葉の家では昌史さんの話を口に出す事はタブーなのかもしれない。
でも、ここまで来たのなら東能リナさんの気持ちを届けてあげたい。
「麻葉のお母さんは昌史さんに会いたがってるの。それを知れば、きっと協力してくれるよ」
あたしはそう言い、麻葉を促して立ち上がったのだった。
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