第1章

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☆☆☆ そして翌日。 この日も休日だったあたしはお昼ご飯を食べてから家を出た。 昨日みたいに壊れそうなトラックでデパートへ連れて行かれてはたまらない。 お店に到着すると、ドアを開けようとして躊躇した。 あたしって今は一応従業員ってことになってるのかな? だとしたら、従業員用の入り口から入らないとダメ? そう思っていると、店内に野田さんの姿を見つけたのであたしはそのまま入ることにした。 「野田さん……」 と、声をかけた瞬間、絶句する。 店内には昨日なかったものが散乱している。 それは大型の扇風機だったり、ボロボロの勉強机だったり、穴の開いた靴下だったり。 どれも土がこびりついていて長い間使われていなかったことが分かった。 「やぁ、おはようマオリちゃん!」 野田さんは新しい商品を眺めながらご機嫌でそう言ってきた。 「野田さん、何してるんですか?」 お店の様子からしてなんとなく想像はつくものの、あたしはそう訊ねた。
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