第1章

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☆☆☆ 無事に卵をゲットして一旦車に戻ってきたあたしは、どう見ても貧乏な野田さんにあたしは更に不信感を募らせていた。 卵の100円セールやデパートのポイントに食いつくのに、バイトの時給が良すぎる。 あたしは隣でため息を吐いているやせっぽっちの野田さんを見て、ため息を吐いた。 「野田さん、いい加減教えてくださいよ」 「……なにをだよ」 「どうしてバイトの時給があんなにいいんですか? 野田さんはこんなにも貧乏なのに」 「貧乏っていうな!」 野田さんは急に大きな声を出して反論した。 図星を付かれて怒っているのだ。 「それに、それはさっきも説明した通りだ。俺1人じゃ不審者とみられるからマオリちゃんが必要なんだ」 「それは納得できます。野田さんの外見は完全な不審者ですから」 ズバリそう言い切ると、野田さんはまた肩を落とした。 怒ったり落ち込んだり忙しい人だな。 「でも、幽霊に依頼させるっていうのが全く意味がわかりません」 そう言うと、野田さんはこちらに視線を向けた。
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