第1章

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☆☆☆ いくら物が散乱していても小さなお店なので片づけはスムーズに進んで行った。 穴の開いた靴いたは躊躇なくゴミ袋行きだ。 それを見ていた野田さんはとても寂しそうな顔をしていたが、野田さんは野田さんで仕事があるので邪魔はされずに済んだ。 唯一売れそうな物たちは昨日と同じようにホコリを取り、必要なら濡らした雑巾で丁寧に磨き上げた。 このお店に入った時すぐ目についたオルゴールはちゃんと音も鳴ったし、磨くことで商品としての価値が生まれたような気がした。 お店の中がどんどん綺麗になっていくのが嬉しくて、あたしは近くの手芸屋さんで大きな布を買い、それを棚に引いて商品を並べて行った。 それだけでも殺風景だったお店の印象はガラリと変わる。 入って左手が女性向け。 左手が男性向け。 正面には大きな家具を綺麗に並べた。 これで商品は見やすく選びやすくなった。
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