第1章

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こんな場面でも親子の感動の再開なんだろうか? そう思って様子を見ていると途端に「この、大ばか者!!」と怒鳴り声が聞こえてきて、あたしは身をすくめた。 見ると、金崎さんのご両親はさっきまでの優しい笑顔を消して目を吊り上げて怒っている。 これには金崎さんも驚いたようで、両親へ伸ばしかけていた手を引っ込めてしまった。 「どうやらご立腹みたいだね」 1人冷静な様子の野田さんが、あたしの腕を掴んで引っ張り起こしてくれた。 「あれ……幽霊なんですよね?」 カタカタと震えながら光の中の2人を指さしてそう聞いた。 「人に向かって指を指すもんじゃない。幽霊っていうのは正しいけどな」 野田さんにそう岩手、あたしは自分の手をひっこめた。 金崎さんのご両親は金崎さんの買い物依存症をひどく心配している様子で、しかりつけながらも時折不安そうな顔を浮かべていた。 幽霊だけれど、見ているだけで彼女への深い愛情を感じられて、だんだんと胸の奥が暖かくなっていく。 「さ、これで俺たちの仕事は終わりだ」 野田さんはそう言い、踵を返して部屋を出た。 「え? 見届けないんですか?」 あたしは野田さんの後を追いかけてそう聞いた。
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