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1年3組の教室へ入ると、親友の本田茜（ﾎﾝﾀﾞ ｱｶﾈ）が先に登校して来ていた。
ショートカットの黒髪が艶やかに天使の輪を作っている。
茜の髪は本当に綺麗だと、いつも思う。
「茜、おはよう」
本を読んでいた茜にそう声をかけると、茜は文庫本から顔をあげた。
「おはようマオリ。今日は暑くなりそうだね」
紙のシオリを本にはさけて窓の外を見る茜。
空は真っ青に晴れ渡り、雲１つ見当たらない日本晴れだ。
「だね。茜、夏休みの予定は？」
「今のところなにも考えてないけど？」
「今年はみんなで遊びに行こうよ！ あたしも早くバイト探すからさ」
そう言いながら茜の前の席に鞄を置く。
「バイト見つかったって言ってなかった？」
「うん。でもこれがちょっと問題ありでさぁ」
あたしは大げさにそう言い、今までの出来事を話して聞かせた。
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