第二話

7/41
前へ
/250ページ
次へ
普通の小さなリサイクルショップかと思えばそうじゃなくて、単調の野田さんは幽霊が見えて、幽霊から依頼を受けて返すものを返しにいく仕事をしている。 そんな説明をしていると、茜は目を見開きそして好奇心から身を乗り出してきた。 幽霊や妖怪といった類の物が大好きで、今もホラー小説を読んでいた茜は目を輝かせている。 「それ、本当にあった話?」 「もちろん。お給料ももらったんだけど、さすがに続ける気はないし、返しに行こうかなーって思ってるんだけどね」 「なんで? ちゃんと働いてもらったお金なら、もらっとけばいいじゃん」 茜は幽霊に興味があるからそれでいいかもしれないけれど、あたしは幽霊に興味はない。 むしろ、怖いからいないほうがいいと思っている。 お給料はそんな幽霊が野田さんに報酬として渡したものを現金にしたものになるので、実質的にこれは幽霊からもらったお給料と言う事になる。 そんなお金、怖くて持っているのも嫌だ。 あたしの気持ちを説明すると、茜は「もったいないなぁ! 幽霊からのお給料なんて普通じゃもらえないのに!」と、本当に残念そうな声を上げた。 確かに幽霊からお給料をもらうなんて、普通じゃあり得ない。 だけど自慢できることでもない。
/250ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加