第1章

8/70
前へ
/250ページ
次へ
☆☆☆ そして数時間後。 あたしはジーンズにブラウスという格好で商店街に来ていた。 まだ昼前という事もあって、商店街を歩く人の姿はまばらだ。 そんな中、あたしは真っ直ぐに商店街の一番奥へと歩いて行く。 そういえばお店の営業時間を確認するのを忘れていた。 途中まで歩いて立ち止まり、バッグから野田さんの名刺を取り出して確認した。 けれど、そこにはお店の営業時間は書かれていなかった。 名刺って自分のお店の情報くらい書いてあるはずなのにな……。 そう思いながら、また歩き出す。 昨日と同じ店の前まで来ると《リサイクルショップ》の看板が下がっていて、昨日と同様にホコリを被った商品が窓の内側に見えた。 小さな電気がついているようなので、お店はオープンしているようだった。 あたしは少し深呼吸をして、ドアを開けた。 「すみません! 面接に来ました!」 野田さんの姿が見えないので大きな声でそう言った すると、昨日と同じ店の奥のドアが開き、野田さんが姿を現した。 「やぁ、来てくれたんだね」 野田さんは嬉しそうにそう言い、あたしに手を伸ばす。
/250ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加