第二話

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☆☆☆ やってしまった……。 放課後みんなで集まってのカラオケはとても楽しかった。 思った以上に盛り上がったし、京馬も笑顔を取り戻して好きな歌を何曲も熱唱していた。 秀悟の計画は大成功に終わったのだ。 そのかわり……。 あたしは空になってしまった財布を見下ろして泣きそうになった。 あと30分、もう30分と延長している間に料金はどんどん上がって行くし、飲み食いした分の金額を合わせるとあっという間にお札は消えて行ってしまった。 バイト代が丸々消えてしまったわけではないけれど、財布の中は随分軽くなってしまった。 これじゃ野田さんにバイト代を返す事ができない。 数千円を代償にして友達を笑顔を取り戻す事ができたんだから、落ち込む理由なんてどこにもない! あたしは自分自身にそう言い聞かせ、肩を落として家に帰ったのだった……。
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