第二話

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「も、もしもし?」 死神と電話をするのは初めてなので緊張してしまう。 ――誰が死神だ。誰が 「あれ? あたし声に出てましたか?」 ――『死神と電話』ってところまでは聞こえて来た。 「さすが死神の野田さんですね」 ――そんな呼ばれ方をしたのは人生で初めてだ。 「え? そうなんですか? 野田さんほど死神に似た人間はいないと思いますが……」 ――死神死神ってうるさいなマオリちゃんは。そんなことより、今からバイトに来れるか? 「今から!?」 あたしは時計ともう一度確認した。 夜の9時半になろうとしている。 今から家を出るなんて到底無理だ。
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