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「ここまで素直に本音を言ってくれる人なんて、他にいないと思いますよ? 野田さんの事、本当に心配しているから言っているんですよ?」
あたしは恋をしている野田さんを哀れに感じてそう言った。
だって、野田さんの写真の相手はあまりにも美しすぎた。
モデルでも通用するくらいのルックスだ。
相手がそれほどの美女じゃなければあたしも野田さんの恋を応援することができただろう。
野田さんは、まずは自分の外見を知ることから始めるべきなのだ。
「本音であんな事を言われたら更に傷つくんだよ!」
野田さんは珍しく顔を赤くして怒っている。
相当あの女性の事が好きだった様子だ。
「ま、終わった恋の話はもうやめましょう。今日のお仕事はなんですか?」
怒っている野田さんをスルーしてそう聞くと、野田さんは諦めたように肩を落とした。
「……今回の相手ななかなかのつわものだ」
「つわもの?」
あたしは目をパチクリさせて野田さんを見る。
なんだかすごく深刻そうな顔をしているし、こっちまで緊張してしまう。
「あぁ……」
「その……前回の金崎さんのように、相手の写真はないんですか?」
「今回は……ない」
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