第二話

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続けてそう聞くと、野田さんはうつむいてしまった。 「それに、今回は直接相手のマンションに来てますけど、前回みたいに相手を知る事から始めたりはしないんですか?」 そう質問を重ねると、野田さんは諦めたようにため息を吐き出してあたしを見た。 その目には切なさが宿っているように見えて、一瞬ドキッとしてしまう。 野田さんの大きな瞳にだけは、どうしても魅力を感じてしまう。 そんな自分がなんだか嫌で、あたしは野田さんから視線をそらした。 「相手の事は……よく知っている」 「へ?」 「行くぞ」 野田さんはそれだけ言うと、トラックを下りたのだった。
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