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☆☆☆
それからあたしたちはセキュリティを潜り抜け、相手の部屋がある最上階へと向かった。
「すごい……」
エレベーターを降りた途端、ついそんな言葉を口走る。
目の前には広いエントランスが広がっていて、真っ赤な絨毯が敷き詰められ、高級そうなソファや大型テレビが設置されていたのだ。
入居者の共有スペースというやつなんだろう。
上からぶら下がっているシャンデリアに目をチカチカさせながらエントランスを抜けると、大きなドアが左右に2つあった。
最上階は2部屋しかないらしい。
相手の部屋はどっちだろう?
そう思っていると、野田さんは向かって右手のドアの前で立ち止まった。
そっちか。
そう思い、あたしは野田さんに続いて移動をする。
野田さんはマンションに足を踏み入れてから一言も話をしてくれないから、あたしは金魚んフンのように付いて回るしかできていない。
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