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中学を卒業してから、10年目の同窓会。
5クラスあった学年の合同での同窓会なので、ホテルの会場は200人以上の人で賑わっていました。
東京にある大学へ進学し、デザイン関係の会社に就職した私は、両親に報告することがあって実家に帰ろうと思っていたこともあり、今回の同窓会に参加しました。
始めはクラスごとにまとまって飲んでいましたが、次第に席を立って移動する人が増えてきて、その内そこかしこで歓声が上がったり、写真を撮り合ったりするようになり、司会の人が時々話す声も聞こえない位盛り上がってきました。
10年も経っていると仲のよかった人達の中でも色々な状況の人がいて、結婚して子供までいる人、実家の仕事を継いで社長になっている人、海外を旅して回っている人、母校で教師をしている人・・・そんな人達といつまで話していても話題が尽きなくて盛り上がります。
久しぶりに会えた、仲の良かった香澄とも話すことができました。
「え~美咲、デザイン事務所で働いてるの?良かったね、高校生の頃からそういった仕事をしたいって言ってたから夢が叶ったじゃない!」
「ありがとう!香澄だって地元のTV局で女子アナでしょ、すごいよね~」
「う~ん キー局は全部落ちちゃったからね。まあ何とか地元で受かったって感じだよ」
「新人の頃TVで見たよ、無茶苦茶緊張してたでしょ?悪いけど笑っちゃった あはは」
「え~見られてたの?恥ずかしいよ~。でも今は自分のコーナーも持たせて貰って、がんばってるんだから」
「へえ~ すごいじゃない!どんなコーナーなの・・・」
その時、キャー、キャーと女の子達の黄色い歓声が聞こえてきて、振り返ると大勢の人が集まっている所で何やら盛り上がっています。
「何だろうね?」
「あっサッカー部の連中だね、あの盛り上がり方はきっと」
「納得」
2人で顔を見合わせて笑ってしまいました。
「明るい人達が多かったからね」
「底抜けにね」
サッカー部か・・・彼も来ているはず・・・
私は静かに溜息をついていました。
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