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この国で生まれたからには仕方ない。
そう、他国の人は語るらしい。
起源はいつからかはわからないが、少なくとも数百年以上前にここは建国された。そしてそのときから、民は全員女王の奴隷となるように定められていた。
不思議なことだが、他国から毎年数万人とこの国の奴隷になることを志望する者がいるらしい。
「女王の命令に従っていれば絶対だからな」と移民してきたものは皆口を揃える。
そして「それにあの美貌は恐ろしい」とこの国の者が口を揃える。僕も例外ではない。それでも僕は他国を見てみたい。
「先ほども話したが確認だ。この虎に6つの芸を仕込んでもらう。芸を女王に無事披露するか、この虎に殺されるかまでこの教室に通ってもらう。朝の8時から夜の11時までだ。遅刻はするなよー。」
遅刻をした場合は聞く必要がなかった。いつも通り、死んだ方がマシ、という状態にされるだけだろう。
「俺はさ、ずっと女王の前で芸を披露されることを待っているんだよ。だから頼むぜ。10周年記念ってやつなんだしなー」
佐々木は話すと、僕を教室の中へと突き飛ばす。
「ほんとに頼むぜ。」
教室の戸は閉められた。ご丁寧に鍵まで閉まる音がする。
そして虎の唸り声が僕の耳に届いた。
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