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「素晴らしい。素晴らしいぞ!!」
無事に6つの芸を僕と虎はやり遂げた。
女王は笑い、拍手までしてくれた。なんて光栄なのだろうか。
女王の間に僕と二人きりだけでも幸せなことなのに。いや虎もいるが。
「本当にこの命令を成し遂げる者が現れるとはな。余は満足じゃ。よし、もう下がって良いぞ。」
そう言うと女王はニヤリと笑った。
この命令はただ芸を見せるだけだった。成し遂げたとしても特に報酬はなし、ただ命令に従い、女王を満足させる。それだけの命令だった。
「どうした。はよう下がれ」
女王は命令をする。
「女王。頼みがあります」
僕はお願いをする。
「奴隷を、奴隷たちを解放してください」
不思議と怖くはなかった。隣に虎が居てくれるからだろう。
女王の笑い声が響く。
「笑わせるな奴隷よ。誰一人も解放させるわけがなかろうが。無論、貴様一人でもだめじゃ」
「もし頼みを聞いてもらえないようでしたら、あなたを襲うようにと虎に命じます」
僕は脅す。
女王は笑う。
虎は話す。
「腕、悪いな」
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