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怖いよ。怖くないわけないじゃない。
おまけに悲鳴がまた聞こえてくるし……
「そのまま掴まってろよ。中に入るぞ」
仁さんと榊さんが先に入ってく。
その後を、奏さんとわたしが入った。
暗幕がかかった教室へと足を踏み入れると床がグニャリと足元が揺れた。
暗い中から気味悪いカラスの声が聞こえる。
ヒッ
奏さんのシャツをぎっちり掴んでる手が震えた。
お墓があって後ろには卒塔婆が建っててすすきにカラス…鳴き声が不気味…
怖いよ…
そしてそのそばには井戸があって…その中から着物姿の髪の毛が乱れた女の幽霊が……
「きゃああっ!」
悲鳴をあげて奏さんの肩に思いっきりしがみついた。
「大丈夫か、進むぞ」
奏さんの裾を握り直してびくびくしながら前に進むと、どこからか読経が聞こえて目の前に棺桶が…
その棺桶の中から手が出てきて、箱の扉が開いて………
「キャアアッ!」
目を瞑って奏さんの腕にしがみついた。
もう無理!
もうだめ!
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