フィーリングカップル5VS5

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ミス西高が奏さんを見て、頬をピンクに染めた。その姿がはにかんで可愛いくて、中庭のギャラリーからも校舎の窓からも、 「マジ、可愛い~♪」 「俺と付き合ってくれぇ~」 「うおっ、抱き締めたいっ!」って、たくさんのハートが飛んだ。 新体操のマドンナは柔らかく微笑みを称えてみんなを魅了して。 華道部の大和撫子は長い艶のある黒髪に瞳をうるうるさせて男心をくすぐって。 凛とした西高応援団長は袴姿で女子の黄色い声と甘いため息が。 それに比べて、わたしはみんなみたいに可愛くないし、メイド服に猫耳…… 「バカだな、おまえはおまえだろ」 「え?」 「堂々としてればいい。おまえはそのままでいい。無理に飾ろうとするな。ありのままのりおを受け止めてくれるヤツがいる」
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