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ありのまま?
そのままのわたしを?
「少なくとも俺はそのままのおまえでいいと思ってる。俺だけじゃねえ、榊も仁も、おそらくアイツもな」
声がわたしの顔を上げさせた。
目の前に偉そうに座って足を組んだ奏さんがわたしに言った。
「アイツ?」
アイツって誰?
奏さんの視線がすっと動いて、樹の方を向いたら樹と目があった。
樹がわたしをじっと見てる。昔から変わらない表情で。
樹が頷いて、親指を立てて、そのくちびるが「頑張れ」って告げた。
そのままのわたしでいい。
わたしはわたし。
いじけるんじゃなくてちゃんと前を向いて。
自然に笑顔になってくる。
こんなに可愛い衣装に猫耳。どこが恥ずかしかったの?
榊さんも仁さんも樹も可愛いって言ってくれたのに。
わたし…
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