フィーリングカップル5VS5

27/34
前へ
/36ページ
次へ
会場が最高潮に盛り上がる。 樹が誰を選ぶのか、奏さんが誰を選ぶのか。 樹の人気も半端なくて下級生から黄色い声が飛んで、奏さんが足を組み替えただけで先輩たちから悲鳴が上がった。 「さあ、樹くんは誰を選んだのでしょう!?」 みんなが注目する中で樹がわたしを見た。 ―――え? 樹の押したボタンがわたしの席のランプに点いた。樹の視線と共に真っ直ぐに伸びてくる。 そんな……だって。 樹は前に応援団長の羽織袴姿にホレたって言って、先輩で俺なんか相手にされないだろうけど付き合えたらいいなーって言ってたのに。 その相手が目の前にいるのに。 応援団長の雄姿には誰だって心奪われる。 樹が彼女を選ばないなんて……そんな。 「おーっ!5番、メイドのりおさん狙いだ!!」 司会者の声がよく理解できなかった。 わたし……???
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

204人が本棚に入れています
本棚に追加