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会場が最高潮に盛り上がる。
樹が誰を選ぶのか、奏さんが誰を選ぶのか。
樹の人気も半端なくて下級生から黄色い声が飛んで、奏さんが足を組み替えただけで先輩たちから悲鳴が上がった。
「さあ、樹くんは誰を選んだのでしょう!?」
みんなが注目する中で樹がわたしを見た。
―――え?
樹の押したボタンがわたしの席のランプに点いた。樹の視線と共に真っ直ぐに伸びてくる。
そんな……だって。
樹は前に応援団長の羽織袴姿にホレたって言って、先輩で俺なんか相手にされないだろうけど付き合えたらいいなーって言ってたのに。
その相手が目の前にいるのに。
応援団長の雄姿には誰だって心奪われる。
樹が彼女を選ばないなんて……そんな。
「おーっ!5番、メイドのりおさん狙いだ!!」
司会者の声がよく理解できなかった。
わたし……???
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