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「りおさん、どうしたんですか?さっきからため息をついてばかりですね」
「うん……実はね、西高祭でやるゲームに出ることになっちゃって」
学校の帰りに護衛をしてくれる榊さんに、友達からお願いされたことを話した。
「でね、メイド服のままで来てねって言われてて」
確かに可愛い服でウケを狙えるけど、……5番目って完全に他の参加者たちの引き立て役なんだもの。
「みんなの引き立て役になるなんてそんなことありませんよ。りおさんは可愛いです」
「榊さん、お世辞上手すぎるよ」
「いえ、本当のことですよ」
嫌味なく言う榊さんをちょっぴり睨んだ。
「誰もそんなこと思いはしませんから」
そう、かな?
引き立て役だって思わない、かな?
「大丈夫です、少なくともわたしはそう思いません」
榊さんの言葉に気持ちが軽くなる。
話して良かった。
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