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夏休み中はこんな感じで依頼をこなす日々が続き
新しく家族になったリクも無事この家に馴染み
割と楽しい日々を過ごしていた
「リン、約束のものができたぞ」
夏休みも数日で終わるところまで来たある日
父に呼び出され渡されたのは前に頼んでいたものだった
袋から中身を出し、性能を確認する
「さすが父さん。完璧だ」
「はっは、だろ?なかなか楽しかったものでいろいろつけちゃったぜ」
父に頼んでいたのはローブ
黒生地に赤のラインが入っていて内側の生地も赤い
内側を見ると魔法陣が編み込まれており見た限りだと最高級品だろう
父は魔法陣に長けており、それは誰も真似出来ないらしい
らしいというのはレイカー家はみんなできるからだ
だが父のは特に素晴らしく、多くの効果を一つの魔法陣にまとめるのがうまく、それで商売しているようなものでもある
俺が父に頼んだのは、認識阻害とポケットに空間魔法の組み込みのみ
寝ると魔法が解除されやすくなるならいっそローブそのものにかけようと思ったから
ポケットはただ楽に武器も出せるし、不意を付けるから戦闘に便利だろと思い
なのに父はそれにプラスして絶対防御やら魔法反射やら、しかも攻撃者に対し自動攻撃とかぜったいローブにはいらないだろう効果まで追加されている
俺着てるだけで、守られるし倒してくれる
無敵すぎる
だが父がくれたものだありがたく使おう
「で、今日の依頼なんだが・・・」
嫌な予感がする
「今日城で勇者召喚をするらしいからそれの見張りみたいなのを頼む」
「は?・・・なんで勇者召喚?」
本来勇者召喚といのは魔王がいる時など危機に陥った時に救済措置として行われるものだ
だが今は魔王が魔物をしっかりまとめてるし、反乱どころかむしろ好感的だ
世界的な戦争があるわけでも、なにかが起こるわけでもないのに
下手をすれば魔物が攻めてくるぞ
「勇者の話を聞いた姫が婚約者にすると言ってな・・・ほんと困った話だ」
勇者・・・それは誰もが振り向く端麗な容姿と正義感あふれる優しい心をもち、魔王を倒す力持つもの
いままでならそうだが、今の魔王は無理だろう
なぜかというと・・・
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