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「おはよう!琳音」
「はよ」
俺達は高校に入ってすぐに意気投合しすぐに仲良くなった
2年になる頃には親友とも呼べるくらいだった
俺は仕事があったのであまり会えなかったがそれでも学校に行った日はずっと一緒にいた
休みの日には互いの家に遊びに行ったりもした
そしておれは紫苑に恋をした
気づいたのは2年の春
泊まりにきた紫苑が俺のベッドの上で腹を出して寝ている姿に欲情したから
俺は小さい頃から男しか好きになれないゲイだ
これは誰にも言ってない
もちろん紫苑にも
「なぁ今日遊びに行っていい?」
「・・・ごめん。仕事ある」
いつしか近くにいるだけで抱きたいと思い始め
距離を置き始めた
俺は声優の仕事をやっていたため、事務所に頼み仕事詰めの日々を送った
「なぁ俺を見ろよっ!」
「俺が好きなのは・・・お前だけだ」
そんな言葉を言ってる間も頭に浮かぶのは紫苑のことばかり
3年になる頃には毎日のように紫苑を思って1人で欲を吐き出していた
手に付いた自分の欲と終わったあとの気だるさが余計に惨めに感じた
「くそっ」
何度やめようと思ったってやめることは出来なかった
学校に行く日も減り、会っても最低限の会話しかしなくなった
俺のファンと騒ぐ女はそんな俺を見て好奇とばかりに群がり
男は俺に嫉妬と怨みを向けた
そんな日々に俺も限界が来ていた
会いたい
触りたい
声を聞きたい
俺だけを見て欲しい
俺だけを・・・
恋人じゃなくても親友でいられれば
と思っていたはずなのに欲は深まっていく
もう限界だった
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