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「まひろ!」
後ろの方から私を呼ぶ声が聞こえたかと思うと、ゆらゆらと橋が揺れて誰かが近付いてきた。
そして、その人に私はギューッと抱き締められた。
「まひろ…大丈夫か!?怖かっただろ、1人で行かせて悪かった…。もう大丈夫だぞ、俺がここにいるから……」
イチにぃ……。
私、イチにぃに抱き締められているんだ…。
イチにぃの腕の中って、暖かくてこんなに安心できるんだ…。
初めてだよこんなの、知らなかった。
恐怖心が薄れていくのが分かる。
「あ、ありがとうイチにぃ。私、もう大丈夫だよ…」
「うん、良かった。本当に良かった…。だけどもう少しこのままでいさせてくれないか?まひろ…」
「……イチにぃ、どうしたの?」
ちょっとだけ震えているような気がするけど…。
もしかして、イチにぃも本当は怖いの…?
「まひろ、お前にずっと隠していたことがあるんだ。聞いてくれるか?」
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