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小屋の中に入り、扉が閉まると同時に、私は息が詰まるんじゃないかと思った。
主任が、力強く私を抱き締めてきたから…。
ついさっき、イチにぃに抱き締められたばかりだったけど、イチにぃと佐伯主任では全然感じ方が違う……。
イチにぃのは、怖がる私を安心させてくれる"お兄ちゃん"の暖かいハグ。
佐伯主任のは、私を必死に求めてくれている"恋人"の熱い抱擁。
私だって、ずっと求めていた。
だから主任の背中に手を回して、ギュッと抱きついた。
ずっとずっと、こうして主任に抱き締められたかった。
「まひろ、俺はお前が…まひろが好きだ。ずっと言いたかったんだけど、遅くなってごめん……。誰にも渡したくない……イチにぃにも……」
一緒だ……私が伝えたかったことと一緒だよ。
私たち、同じような想いを抱えて来たんだね。
私も、先ずは自分の想いを伝えなくちゃ…!
覚悟はいいかな、主任…。
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