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「…………先生。ちょっと、いいですか?」
「………三宮、まだ居たのか?どうした?」
もう、クラスのみんなは帰ったと思ってた。
突然、現れたクラスメイト。
三宮 隆人(さんぐうたかと)。
クラスで1番頭のいい、品行方正な優等生。
俺がチラッと三宮を見ると、三宮もこっちを見てきた。
「………………………。」
「ちょっと、お話しがあって……。でも、ここでは……。」
「あー……、そうか。でも、悪ぃな。今は山口の補習を見てんだ。明日の、そうだな………昼休みじゃダメか?」
「……分かりました。じゃあ、明日お願いします。」
先生と三宮のやり取りを聞きながら、一生懸命問題を解こうとする。
ダメだ。今、先生に教えてもらって理解出来たと思ったのに、ちっとも分からねぇ。
それに、俺の後頭部にチクチク視線が刺さるのも気になる。
これ、あれだ。三宮だ。
たった今、俺をチラ見した視線で見てんだろーよ。
力のこもった、まるで俺が邪魔してるかのような嫌な目で。
ああ、モヤモヤする。
結局、三宮が帰った後ムシャクシャが治まらない俺は、明日プリントを提出するってことで、解放され家路についた。
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