lesson 3

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「う、噂……っ!ほら、前にも言っただろ、俺の身に覚えのない噂っ、」 「あ?噂?………ああ、あれか。それが何だ。」 「…………あれとは違う、別の噂が流れてんだよ。」 「どんな。」 「………………。」 だよなぁ、そうくるよなぁ。 ーーーーーくそっ、何が悲しくて、こんな事自分で言わなきゃなんねぇんだよっ! 「山口、」 「ーーー俺がっ!…………今井先生に体で追試勘弁してもらってるって………、」 「………………………、」 勢いで言っちまおうと思ってたのに、最後の方は何でか弱弱しい声になってしまった。 …………ちくしょう、何か言えよ。 俺はまだ先生に頭を押さえられてる状態だから、今のを聞いて先生がどう思ったか、どんな表情なのか分からない。 この沈黙が、何か嫌だ。どうしていいか分かんねえ。 「…………………は、バーカ。」 「へ、ーーーちょっ、やめっ!」 突然、鼻で笑ったかと思ったら。頭を押さえていた手を動かして、髪の毛をグシャグシャにされた。 「アホか。そんな噂、相手にすんな。反応したら、流したやつの思うツボなんだよっ。わかったか!」 「わかった!わかったから、もう髪の毛グチャグチャにすんなっ!」 これでも一応セットしてんだよっ!俺の毎朝の努力無駄にするなよ! 「…………………迷惑だなんて思ってねえから。ほら、問題解け。」 「ーーーーーーっ、」 やっと、頭を解放してもらえて前を向いたら。 ちょ…………っ、なんだよ。なんでそんな優しい顔で俺見てんだよ………っ。 ーーーーーードキンっ、 え? なんだ? 今の。 「……………………解け。」 「…………はい。」 うそだ。 今のは、嘘に決まってる。 気のせいだ。 きっと。
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