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「あっれー?幸ちゃん、こんな皆に見られる教室で補習受けてて大丈夫なの? 誰も来ない密室の方が、幸ちゃんには都合いいんじゃないの~?」 ーーーーーボキッ!! 廊下から聞こえた下衆な野次に、力が入ってシャーペンの芯が折れた。 …………………構うな見るな反応するな。 あーいう奴らは、こっちが反応すればするほど、面白がるんだ。 ほっとけ。俺は、ちゃんと補習受けてんだから。 「……………なんだ?今の。山口、お前の知り合いか?」 「知りません。」 顔も見てねえから、学年も分かんねえ。 「幸ちゃん呼ばわりされてたぞ。知り合いじゃねーのに、あんなこと言われんのか。」 「マジで知らないっす。俺のダチはあんな事言わないんで、知り合いじゃねーっす。」 つーか。めんどくせえこと担任に聞かれちまったな。どーやって誤魔化すか……。 「……………教室だと都合悪いって、何だよ。」 「……………………………。」 そこかよ。そこ聞くのかよ。 あー、めんどくせぇ。
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