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「先生。俺って、体張って単位取ってるらしーよ?」
もう、ホント馬鹿らしいから。軽く言ってみた。
先生がどう思うかなんて、どうでもよかった。
「………………アホか。体張って再テストあの点数なら、お前どんだけ安売りしてんだよ。」
先生の表情は、至って無表情。
あれ?何?先生は信じねえの?
「なんて顔してんだよ。噂に負けんなよ。」
「ーーーーイテッ!」
バチン!とデコピンされて、涙が出た。そうだ。デコピンのせいだ。痛いから涙が出るんだ。
「泣き虫だな。」と言われてカチンときて。ちょっと先生を焦らせたくなった。
「じゃあさ、先生。もしもさ、俺が先生に迫ったら、どーすんの?」
「は?迫ったら?」
「そ。迫ったら。」
頬杖をついて、先生を見上げて反応を待った。
先生は少し考えて。そして、ニヤリと笑って。
「遊びなら、無視する。」
ふーん。
「じゃあ、本気なら?」
「本気なら………………受け止めてやるよ。」
…………………………は?
先生の言った意味が分からなくて、ぽかんとしてたら。
「ーーーーーーっ!」
グイッとネクタイを引っ張られて、顔が前に出た。
目の前には、 先生の顔。鼻先が触れそうなくらい、近い。
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