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俺は深呼吸しつつ、スキルマークを元の大きさに戻していく。そして、勘九郎の体を両手で抱えて源と灯の近くに眠る唯の隣に寝かせた。
「おつかれさま」
「何も疲れてねぇっての。これも"源の計画ってんなら当然の結果"だろ?俺や灯がいなくてもこの程度の力しか持たない瀬十郎や千代なんてどうとでもなる」
「確かにそうね。まぁ、瀬十郎は千代とは違って、陰陽術を主体として戦うスタイルのようだから尚、力量の差が顕著に現れたんだわ」
「成程ねぇ……。んで?源は何してんだ?」
源は飽きもせずと言うか、相変わらず意味のわからない祝詞ってやつを呟いている。
「……源はいまーー」
「ーー灯ちゃん。俺が話すからいいよ」
源は大きく息を吐きながら灯の言葉を遮り、背筋を伸ばす。同時に、結の体を包んでいた光も消失し、結は固い地面の上で寝ているかのようにぐったりと横たわっていた。
「とりあえず、結はもう大丈夫だ。次は勘九郎だ」
「ちょっと待ってって。何してんのか説明しろよ」
「んー?まぁ、説明してもいいけど葉真っちの頭じゃ理解できねぇーだろ?」
「だからその姿で葉真っちとか言うんじゃねぇ!!」
「はは……まぁあれだよ。結の中から千代の意識を抜き"捨てた"と思ってりゃいいよ。それより、そこをどいてくれ」
……まぁ、確かに説明されても俺には理解できない自信があるよ?
だけどよ……どうにも腑に落ちないのも事実だ。
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