第24話

25/34
前へ
/430ページ
次へ
***源.side*** もしかしたら、葉真なら無理やりにでも俺を止めるかと思ったよ。俺の話を理解していなくても、違和感ってのを鋭敏に感じ取る奴だからな。 けど、今はただ無言でずっと俺を見てくれている。 俺の気持ちを尊重してくれんだな。 ありがとう……心の底からそう思うよ。 それにこんなことを仕出かした俺を"葉真"はまだ親友と呼んでくれた。 それが溜まらなく嬉しかった。 でも……そんな優しい言葉をくれた葉真に俺は謝らないといけないんだ。確かに俺は死を覚悟できているが、"死にたいとは思っていない"。 でも、千代の編み出した邪法の仕組みを全て理解出来てる訳でもないんだ。確かに、千代の意識を取り込む事に成功はしたが、印が無いにも関わらず、悍ましい邪気が体の中で暴れまわってんのを今も感じる。 瀬十郎にしても同じだ。 瀬十郎の意識が俺の中に流れて込んできているのを感じるけど、少しでも気を抜けばその意識に乗っ取られそうだ。 正直、俺はこんな奴等を抱えたまま過ごしていけるとは思えない。
/430ページ

最初のコメントを投稿しよう!

122人が本棚に入れています
本棚に追加