第二帖**合縁奇縁**

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そうだ、ぼうっとしている暇なんてない。 私の今の主はこの方。 私の……恩人。 私はいそいで火を着け、灯りを用意すると姫様の側に置いた。 「……ありがとう、悪いわね」 「いいえ、これくらい」 お礼を述べたあと、姫様は不意に深い溜め息を吐いた。 「どうか……されましたか?」 「あの方は……わたくしの元を訪れてくださらない……わたくしはあの方に嫌われている……」 その言葉を聞くと私の胸は針に刺されたようにズキンと痛んだ。 姫様は知らないのだ。 私の罪を。そして、その罰を。 知られたらここには……いられない。 隠さなきゃ…… 姫様に……知られてはならない。 * * * * *
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