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学校が終わって駅に戻ってくると、避けたくてもどうしてもコインロッカーが目に入ってしまった。
あのロッカーのことが気になってしかたない。
いくつものロッカーには空きを示す青い札がぶら下がっている。
しかし、「36」のロッカーには鍵がついていなかった。
まただれかが使用している。
ロッカーを通り過ぎようとすると後ろから肩を叩かれた。
声を上げてしまいそうになって息をのむ。
硬直して身じろぎできずにいると、その人は芙美の前に回り込んできた。
「これ、落としましたよ」
差し出されたのは例のコインロッカーの鍵だった。
※
関わらなければ、怪異と交わることもなかったであろうに。
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