13人が本棚に入れています
本棚に追加
私が、首を横に振ったのを見て、彗君は、さらに、不安そうな顔をした。
「……あっ……あっ……。」
「ん?菜海、どうした?」
返事をしたいのに、あまりにも突然過ぎて驚いて、本当に、声が出なくなった。
「……わっ……わた……し……うっ……うれ……しす……ぎて……おっ……おど……ろい……て……こっ……声……出な……い。」
なんとか、捻り出して、彗君に伝えると、彗君は、溜息をついた。
「……なんだ……俺、菜海が、首を横に振るし、何も言わないから、偽の恋人じゃなく、本当に付き合うのは、嫌なのかと思ったよ……。
じゃあさ……ちゃんと、返事して欲しいし……そうだな……NOなら、俺から離れて……OKなら、菜海からキスしてよ。」
彗君は、そう言って、ニコッと笑った。
私は、彗君の言葉に、『えっ?』ってなった。
だって、さっき、初めてキスをした私が、自分からキスなんて……めちゃくちゃ恥ずかしい……。
でも……返事なんて、決まってる……。
大好きな彗君に告白されたのに、断る理由なんてないし……私は、彗君にキスをしなきゃいけないんだよね……。
そう考えたら、私の顔は、みるみるうちに、熱くなって、真っ赤になった。
私は、じっと、彗君を見つめた。
そして、5分くらいしてから、思い切って、目を瞑って、彗君にキスをした。
最初のコメントを投稿しよう!