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教室の戸を開けたら……
そこには……
ここにいるはずのない人がいた。
その人は……私より1歳年上の高校1年生で、最近、雑誌やTVに、よく出ている、人気俳優の片桐 彗君だったのだ。
しかも、私は、そんな彗君のことが大好きで、彗君の出ている映画やドラマは、全部、DVDを持っているし、バラエティ番組に関しては、必ずダビングする程の大ファンなのだ。
そんな彗君が、今、私の目の前にいる。
私は、ビックリし過ぎて、その場に立ちすくんでいた。
そしたら、彗君は、急に立ち上がって、私を抱き締めた。
そして、私を抱き締めたまま、しゃがみ込んだ。
「…………?」
私は、ビックリし過ぎて、声にならない声で叫びそうになった。
彗君は、そんな私の唇に、自分の右手の人差し指を当てた。
「しっ……ごめん。
ちょっとさぁ……助けてくんない?」
彗君は、そう言うと、苦笑いしていた。
「えっ……助ける……って何で?」
やっと出た声は、ビックリし過ぎて裏返っていた。
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