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だって……私、ここに、ピアノを弾きにきたはずなのに……今、大好きな彗君に、抱きしめられてるし……
しかも、私に、「助けてくれない?」って……
ビックリしない方がおかしいでしょ!?
「俺さぁ……さっきまで、この学校の近くの公園で撮影してたんだけどさぁ……休憩中に、散歩がてらフラフラしてたら、ファンの子に追いかけられて……慌てて、この学校の中に入っちゃってさ……で、学校の中まで追いかけられて……やっと、この部屋に入って逃げれたんだよ……。
だからさぁ……ちょっとの間……俺の恋人のフリして、一緒に逃げてくんない?
俺、今、撮影で制服着てるから、道端とかで抱き合ってたら、カップルだと思われて、気づかれないだろうし……撮影してる公園まで……頼めないかなぁ……?」
彗君は、申し訳なさそうにしながら言った。
「えっ……あっ……私が……彗君の……恋人?
私なんかでいいんですか?」
私が、そう聞くと、彗君は、私の頬にキスをした。
その瞬間、私の胸が高鳴った。
「君が可愛いから、助けてもらおうと思ったんだけど……イヤ?」
彗君は、そう言うと、優しい笑みを浮かべて、首を傾げた。
「……えっ……あっ……あの……私で、よければ……お願いします……。」
私は、顔を真っ赤にしながらお辞儀した。
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