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その時、バイブ音が、教室中に響いた。
それは、彗君の携帯電話の着信だった。
「あっ……もしもし?
マネージャー?
ごめん……散歩してたら、ファンの子に追いかけられちゃってさぁ……。
あぁ……なるべく早く戻るから……本当に、ごめん。」
彗君は、そう言って、電話を切ると、私から離れて立ち上がった。
「じゃあ、行こっか。」
彗君は、そう言って、優しい笑みを浮かべると、私の手を引いて、立たせてくれた。
えっ……!?
あっ……今、私……彗君と手を繋いでる……。
どうしよう……めちゃくちゃドキドキしてきたよ……。
私は、そう心の中で呟きながら、彗君を見つめた。
「ごめん……。
先に、外に、誰もいないか見てもらえない?」
彗君に言われて、私は、彗君の手を握り返しながら、ゆっくり、ドアを開いて、教室の外を確認した。
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