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「おい」
高田は銃の引き金に指をかけたまま、暗闇に向かって問う。
何があったのか、何が起こっているのか、まったくわからない。
すると、視界の中にその男が帰ってきた。
よろよろとだが、自分の足で立って、まっすぐの廊下の真ん中を歩いてくる。
「おい、何があった」
高田が問えば、
「――た、助けてくれ」
男が弾けるようにこちらに向かって駆け出してきた。
「おいなんだ、どうした!」
倒れこむ男を抱きかかえるように支えて、高田は問う。
「何があった、どうした!」
その男の背中に、丸い物がくっついていた。
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