2 警視庁

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2 警視庁

現場に足を踏み入れた、警視庁組織犯罪対策課の谷口陸朗は、 「ひでぇな、こりゃ」 小さくつぶやいた。 高級な調度品は爆破の影響で見る影もなく、弾け散った人間の血と肉で汚れている。 足元に転がる死体には、頭蓋に二発、銃痕があった。 「ご丁寧なこった」 おそらく爆死にいたらなかった相手にとどめを刺したといったところだ。 しゃがんで、血の臭いに耐えながら顔を寄せれば、見覚えがある。 この店のオーナーの高田。 辺りに累々と転がる遺体も、その筋をたどれば、じきに身元が判明するだろう。
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