53人が本棚に入れています
本棚に追加
ただし、公安が警察を調査した結果は『白』だった。
だがそんなことをこの場で篠島に言っても仕方がない。
『火のないところに……』
とでも言われて終わりだ。
谷口は篠島の説得を諦めて立ちあがる。
「おい」
そのまま現場を後にしようとする谷口の背中に、篠島は忘れ物を思い出したように話しかけてきた。
「ヤツは何て言ったんだ?」
永遠に口をつぐんでしまった男を顎で示しながら聞く。
谷口は、
「さてね」
肩をすくめると、もう何も言わず現場を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!