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「そんなに興味ある?ヘチマ。」
「…うん。何のためにあるのかな、って思って」
「これはね、緑のカーテンを作るためなの」
「緑のカーテン?」
「そう。太陽の光を遮ってくれたり、冷却効果…風を冷やしてくれたりしてくれる、すごいやつなの」
そう言って、彼女は笑った。
「はぁ?で、ここの高校に入ったわけ?その女がいるなんて、わかんないだろ?」
「そ、そうだけど!俺にとっては初恋の人であって、この高校に入学したい理由としては普通にある話だっ!」
そう、俺は、小学4年生の時に出会った、その彼女のことが忘れられないままでいた。
俺の兄貴が部活中に熱中症になりかけて、保健室まで母親と一緒にこの高校へ迎えに行ったときだった。
外で座っていた俺は、ふとプランターから伸びているヘチマに目をとめた。
なんで、こんなところに…?
疑問に思ったその時…声をかけられたのだ。
制服を着ていなかったから、きっと先生だ、と思い、ここの高校へ入学したのだが…
「で、結局、いなかったってオチか」
「よくある話だよね」
「うるさいー!!」
そう、その彼女は、どこを探してもいなかった。
「転勤しちゃったんだろ、先生だもん」
「まぁ、初恋は実らないもんだよ、よく言うだろ?」
なんでこの高校を志望したのか、と今更ながらに質問してきた友達たちは、残念なヤツ、と俺に向かって言ってから、肩をぽんぽん、と叩いた。
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