episode163 迷い猫の行方 ①

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「嘘だろ?おいっ……!」 大胆なのはいつも 涼しい顔した王子様の方。 「日本から来たスターだと言うんだ」 「お義兄様……」 まさに恋は盲目。 聡明な視線の先には和樹しかいないんだ。 「何だい!君たちがイヤなら僕だけでも行くよ」 サングラスをかけ直すと 優雅な栗毛をなびかせ 「おいっ……早まるなって……!」 九条敬はあっという間に 助手席のドアを開け車を下りてしまった。
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