episode163 迷い猫の行方 ①

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「申し訳ありません。プライベートは存じませんが」 やっぱり いつものことなんだ。 一瞬目を泳がせてから 彼女は困り顔で笑った。 「そう。だったらいいけどさ」 一呼吸置いて 教えてやる。 「彼らは財閥の客人でね。お宅の社長が連れ帰った子にもしものことがあったら――そりゃ困ったことになるぜ?」 韓国ではこと財閥の影響力は甚大なのだ。 「君も仕事を失いたくなきゃ、今すぐ社長にそう伝えた方がいいよ」 下手に手出しすると 痛手を被るだけじゃすまなくなるのが世の常だ。
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