蜘蛛の糸

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まずは、簡単そうで実は難しい挨拶から。 「おおおおはよ。高村。」 「……ああ、おはよう。」 素っ気ないようなこの態度は、誰も近寄らせないようにしている彼の予防線なのかもしれない。と考え始めたのはいつからだっただろうか。 あとあんなに吃るとは思っていなかった。変に思われただろうか。 次は、会話を意識してみようか。 「い、いつも朝早いよな!早起き得意なのか?」 「……別に、暇だから。」 ちゃんと答えてくれた! それだけで俺の心は満たされていく。 幸せを感じる。ずっとこのままでいたい。高村は束縛されるの、嫌いそうだ。 次は、もっと掘り下げてみようか。 「その本、お、面白い、のか?」 「……さあ?人によるんじゃないか。」 「高村は、好き?」 「……まあ、面白いし、好き、かな。」 少し考える仕草をしてからそう答える。 その仕草、スゴくかっこ良くて、高村に似合ってて、やっぱり高村はカッコいい。
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