17人が本棚に入れています
本棚に追加
冬子ちゃん
教室の戸を開けたら、そこには理恵がいた。
理恵はCクラスの学級委員。
宿題を忘れた事を思い出して取りにきたから、クラスのみんなは下校していて誰もいないと思っていた。
理恵がいて、ほっとした。
理恵はいつもは私と目が合ったら、笑顔で挨拶をしてくれるのに、私の顔を見て複雑な表情になった。
理恵のいつもと違う反応に、私も挨拶を忘れて、理恵をじっと見つめてしまう。
「美沙、ごめんね。
こんな時間に学校に戻ってくるあなたがいけないのよ」
理恵は何を言ってるの?
私は宿題のプリントを取りに来ただけなのに。
「美沙、ごめんね。 ごめんね。 タッチ!」
理恵は、私の身体にタッチしてから、逃げるように帰っていった。
理恵はどうして謝ったの?
不安が心の中に渦巻いた。
最初のコメントを投稿しよう!