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可哀想に。
冬子ちゃんの話を聞いて、涙が止まらなくなった。
「私の為に泣いてくれたのは美沙ちゃんが初めて。 ありがとう」
「私のお母さんが迎えにきてくれたら、冬子ちゃんも天国に行ってね。
きっと冬子ちゃんを待っている人がいるから」
「わかった。 美沙ちゃんの言う事を聞く」
冬子ちゃんはとっても優しい子だった。
バタン
教室のドアが開いて、先生とお母さんが入って来た。
「やっぱり美沙ちゃんがいなくなるの嫌。
私と一緒に来て」
「えっ?」
冬子ちゃんが、私の手を引っ張ってくる。
「冬子ちゃん、止めて!
私は家に帰らなくっちゃ」
私は必死で冬子ちゃんの手を離そうとするけど、冬子ちゃんの力は強くて、どんどん引っ張られる。
「美沙、誰と話してるの?
帰るわよ」
お母さんには、冬子ちゃんが見えないの?
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