第1章

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 Naked Moon 極夜    『Polar night』 第一章 ある晴れた日に  惑星MHZ28(通称オウランド)、星の八割が、草木の生えない不毛の大地に覆われる星。しかし、オウランドの地下には豊富な鉱物資源があり、人々は豊かに暮らしている。他に、オウランドには、中央システム、ユカラの管理する学園都市もある。  オウランドでは、ユカラが存在する超高層ビルを中心に、人がひしめき合って生活していた。 「今日も晴れだな」  成田 政宗(なりた まさむね)は青い空を見ていた。政宗は、不毛の大地と呼ばれる、オレンジの平原に浮かんだ、青い空が好きだった。 「父ちゃん、オウランドは、殆どいつも晴れだよ」  雨季のわずかな期間以外は、オウランドには雨は降らない。  政宗は、息子の時宗に冷たい目でみられていた。  政宗二十六歳、息子時宗八歳。どちらかというと、時宗の方がしっかりしている。  砂漠に水は豊富にあったので、政宗は巨大なプールを作っていた。名前は王ランド。管制塔の仕組みもあり、宇宙船の離発着も管理している。巨大になってしまい、生活どころか、自給自足できるまでの設備を誇る。 「王ランドに学校を作りたいと、ユカラに申請したら、分校ならいいってさ…」  分校?どこかの学校の一部ならば、許可するらしい。あちこちの学校から、サマーキャンプの申し込みがあったが、政宗が皆断ってしまったので、分校という名目できたのかもしれない。  王ランド、軍部の砂漠の空港監視システムであり、時宗の楽園でもあった。政宗が、孤児を引き取るために建設したものだが、元はプールで泳ぎたい、温泉に浸かりたいような、 個人的な願望で申請されていた。  砂漠の中にありながら、巨大なアトラクション型プール、庭園、菜園、牧場と自給自足を実現している。オウランドは砂漠といっても、不毛なだけで、水は豊富にあった。  王ランドを見下ろす管制塔の一部に、政宗は自分の別荘を造っていた。管制塔は、プールの監視まで兼ねていたので、水着のまま部屋からプールにも行ける。政宗など、窓から飛び降りてプールに行ける。  今も時宗は、プールに行くべく、既に水着であった。部屋は簡素だが、広さはあった。巨大な窓の前、政宗は考え込んでいた。 「父ちゃんは、一体、何人、孤児を引き取るつもりだ?」  確かに、学校を考えてしまう程、引き取るつもりはなかった。
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