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「おいしい」
そこで、やっと会話ができるようになった。
上原は、ミラレスでの記憶を全く持っていなかった。
しかし、政宗を見た瞬間に、
忘れていると強烈に感じたという。
「思い出したい…」
「俺もミラレス出身だけど、
思い出してもいいことなんてないよ。
忘れていなよ」
政宗が余ったごはんで、おにぎりを作っていると、
少女は姉に持ってゆくと言って、走って行った。
「そう思っていましたが、
俺、忘れているのですよね…」
上原の手が、政宗の服の中に入り、
背を撫ぜていた。
兄弟だと叫びたいが、政宗はぐっとこらえて、
上原の手を引っ張り出した。
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