第九章 scar

22/30
前へ
/378ページ
次へ
 玄関で音がしたので、 政宗がやんわりと体を離すと、 女医という髪の長い美人が立っていた。 このタイミング、妹の存在、 これは隠れて上原を警護しているか、 狙っているかの人間であった。 「おつかれさまです。 夕食、作っておきましたよ」  政宗は、名乗らずに上原の家を後にした。 「茶屋町、上原と同居の人物は、 どこの所属かな?」  どこにも所属していないという、 名目はただの女医であった。 「まずいな、 ならば、敵のハニートラップか…」  黒崎にテロリストと当たってもらったが、 該当者は居なかった、 ならば、地球の者という可能性も高い。
/378ページ

最初のコメントを投稿しよう!

111人が本棚に入れています
本棚に追加